2012年9月4日火曜日

江戸時代の子育て


今の世の中。
ベビー用品はあまたあり、ママたちは便利グッズに日々助けられている。

かっこよくて、機能的なだっこひも。
快適なベビーカー。

勝手に揺れてくれるハイローチェア。
おいしそうな離乳食…


ベビー用品のコーナーに行くと、毎回感心させられる。


とともに、毎度思うのは、

昔の人は、どうやって子育てしていたんだろう。

ということ。

それで気になりすぎて、買ってみた。

中江克己著「江戸の躾と子育て」。


出産から、教育についてまで、読みやすくさらっと書いてあったが、わたしが一番興味深かったのが出産について。


・出産後、1週間産椅という椅子で正座させられる(これにより死ぬ人も)
・へその緒が戸籍がわり
・胎盤を桶に入れて、恵方に埋める。のし鮑なんかも一緒に
・最初に授乳中の人が初乳を与える
・生まれた日と奇数の日、3、5、7、9日は宴会
・母親が死んでしまったら、父親が乳母を必死で探す。その間は鰹節をしゃぶらしとく
・長い子で6歳まで乳を与える、通常3,4歳くらいまで

などなど…

それぞれには意味があってそうしているのだけれども、
今じゃ廃れた慣習も多い。

この時代は乳幼児が生き残れるパーセンテージが今よりもずっと低かったので、
子どもが健やかに育つようにという親の願いが、今よりもずっとずっと強かったに違いない。

迷信が本気で信じられ、親はあれこれとやったんだろう。


また、出産・子育てが命がけな上に大変だったからこそ、家族だけではなくその周辺に住むもの、親戚が一緒になって子育てをした。特に長屋に住む貧乏人なら、なおさら助け合って生きていく。

一人の赤ちゃんをみなが大事に育てたのだ。たくさんの人に育てられ、子どもは今よりも社交性が身についていたのではないか。

便利になりすぎた今は貧乏人だろうが、金持ちだろうが基本母親が一人ないし父親とふたりで育児を担当する。もちろん、親戚、近所の人や保育園、区の人だって助けてはくれるが、一緒に育てるわけではない。(お金さえあれば別かもしれないけれども)


昔がいい、今がいいということはないけれども、昔はつらくて不便で嫌だと思わせるのではなく、江戸時代の子育ても大変ながらも楽しかったのではないかと思わせる一冊だった。

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